2007/11/06

障がい児の保育

 市役所の男女共同参画室が毎年市民公募をして「こがねいパレット」という名前のイベントをおこなっている。その趣旨に賛同し集まったメンバーが、男女の社会的な差をなくしていこう、という企画を練り、イベントを催し、その趣旨に賛同する団体それぞれが活動をアピール、展示している。今年は11月4日におこなわれた。目玉は、日本で初めてとなる知的障がい児施設の運営に自らを捧げた女性「石井筆子」の生涯を描いた映画『筆子・その愛-天使のピアノ-』の上映である。このお話が私たち黄金ネットワークにもたらされたのは10月の上旬。父親達が集まってなにやら活動している団体があるらしいということを聞きつけた実行委員の方からのお誘いである。どちらかというと「呼ばれればどこへでも顔を出す」タイプの私たち、活動の展示だけでなく企画準備のお手伝いもすることになり、いつもお世話になっているAさんに実行委員として参加して頂くことになった。私たちは展示スペースへの参加団体でもあり、同時に企画実行委員として設営やら撤収に協力するわけである。そんなわけでAさんが実行委員の打ち合わせに出席。イベントの告知チラシの初稿を持ち帰り、それを見ながら障がい児の母親数名と話をする機会に恵まれた。そのとき「保育あり」という部分に気づいたある方が「障がい児の保育は?」という話になった。実行委員として打ち合わせに参加しているAさんは「残念だが企画段階では想定していなかったようだ」との答え。最近はこのようなイベントでの「保育」は常識となりつつあるのだが、これまでそのような場所で障がい児保育はされてこなかったのだ。しかしそのときは何かの啓示なのか、ふと「皆でお願いしてみようか?」ということになった。これまでこのような場所で障がい児保育が出来なかった原因は何か?というテーマで意見交換が出来た結果かもしれない。なぜ出来ないのか。要望する以前の「あきらめ」=「どうせムリだろう」的思い込みがあったり、受け入れ側の姿勢や受け入れ態勢の問題だったりしたかもしれない。でも今回は障がい児教育に一生を捧げた女性の映画である。そこで、保育を想定していないことは「責めず」に個々にお願いしてみようか、となったのだ。もうすでにイベントが終わったので告白するが、保育の問い合わせをしたのは4名。うち2名は身内(黄金ネットの面々)。1名はボクが手を回しお誘いした方。残る1名は不明。電話でお願いしたのだが、担当の方の対応はきわめて丁寧で「ご要望には是非応えたい。時間をいただき部内で検討して結果をご連絡したい」ということになった。結局、市内保育園の障がい児保育経験のある保育士さんが引き受けて下さることになり、小金井市初の障がい児保育が実現できたのです。いやー何ごとも相談してみるものです。本来当然のことかもしれないが、それが自分達の発想からの要望で、これが実現出来たこと。この喜びは大きい。