小金井市市立の障がい児就学前通所訓練施設が「ピノキオ幼児園」である。現在、敷地周辺の区画整理計画が進行中のために施設移転が検討されている。さらに「障害者自立支援法」施行にともない運営主体の検討が始まったという話である。「ピノキオ」の施設運営費は年間約6,000万円。このうち東京都からの補助金が約1,500万円なのだという。この補助金が平成23年からカットされるのだそうだ。この時までに現在小金井市が単独事業として運営してきたものを、児童福祉法の基準に沿った「法内施設」に移行していく必要がでてきたため、」というのが現在の小金井市からの説明である。この話が何度聞いても全体が理解できないのだが、これだけははっきりしている。
つまり、これまでは児童福祉審議会が出した答申の結論に縛られていた運営形態の検討が制度改正のためというまったく別の理由から検討が始まったということなのではないだろうか。「障がい」は認知されてから療育、訓練が始まる。これには「ライフステージ」ごとにふさわしい支援が必要なのである。乳幼児期、就学時、そして最後は安定した就労に至るまでの支援も同じだと思う。ピノキオの問題の検討は小金井市の福祉施策全体のバランスの中で検討すべきだ、と児副審答申で主張する根拠はここにあるのだ。この問題を限定的な小さい枠組みの中でだけ検討してはいけない。近隣の他市の事例も研究すべきだし、検討中の情報公開も進んで行うべきである。とにかく広く議論してほしいと思う。