2015/02/19

子どもたちはみんな、動くものが大好き!


 2月11日の祝日に開催した車イスバスケットボール体験教室「くるまいす×すまいる2」。市立第4小学校体育館をお借りして開催しました。2012年の夏休みに第2小学校のサマースクールとして行って以来2年ぶり。今回コーチをお願いしたのは、日本で最初の車イス女子チーム「GRACE」の皆さん。今回は選手4人で参加してくれました。とにかく、ひとりでも多くの小学生に車イスに触れてもらうこと。車イスユーザーの介助を学ぶことも大切ですが、実戦的な「ゲーム」を体験し、車イスに触れてもらいたくて企画しました。


 なぜ車イスの車輪が「ハの字」なのか。機敏に動き回るための工夫なのですね。そしてブレーキもついていません。走る時も、止まるときもハンドリム(車輪の外側の輪)を使います。子どもたちはすぐにコツを飲みこみ、乗りこなします。自在に車イスを乗りこなして走り回る子どもたちの笑顔が格別です。

  小金井市内の小学校にも、少数、車イスユーザーの子どもさんがいます。しかし小金井では知的な発達に遅れがない場合でも、緊急時に児童の安全確保が難しいとして、都立特別支援学校の肢体不自由児校への就学を進めています。通学校は小金井市の場合、中央線北側が小平特別支援学校、南側は府中けやきの森学園(特別支援学校)への通学(原則スクールバス通学)になってしまうのが辛いところ。

 保護者がそうした「ススメ」にも屈せずに市内の普通学級へ就学を希望する場合は、当該児童に付き添うことを条件に就学を認めているようです。しかし明確なルールは存在せず、願いを実現するには保護者の粘り強い交渉が必要です。
 こうした現状をもっと広く知っていただきたい思いは強く持っていますが、まずは、多くの子どもたちに車イスに触れて、操縦して親しみ楽しんでもらうことを今回の主眼に据え、実践的ゲームにこだわりました。



 予想を超える来場者の中で、市長や教育長にも大変お忙しい中ご来場いただき、目を輝かせて走り回る子どもたちの姿を見ていただき、参加者と一緒に体験していただけたことも大きな収穫です。
・・・今後に期待しましょう。


 冷え込みがきつい2月の体育館の開催にもかかわらずに、今回も実に多くの方が参加してくれました。2020年東京オリンピックとともに開催されるパラリンピック。市民の皆さんには、ぜひともこの機会に障がい者スポーツへの理解が深まる工夫をお願いしたいですね。そして小金井市に車イスバスケファンが増えることを期待したいです。最後に、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたグレースの皆さんに心からの感謝をお伝えしたいと思います。本当に有難うございました。

2015/01/20

車いすバスケットボール体験教室「くるまいす×すまいる」ふたたび

 2月11日(水)建国記念日の祝日に、車イスバスケットボール体験教室「くるまいす×すまいる2」開催します。会場は小金井市立小金井第四小学校体育館で、9時45分スタートです。お招きするのは、日本初の女子車イスバスケットボールチーム「GRACE」さんです。主な対象は小学生としていますが、事前にお申し込みをいただければどなたでも参加できます。

 まずは車イスと車イスバスケットボールに触れていただき、障がいについても考えるきっかけにしていただければ幸いです。
 小金井市の公立小学校では、普通学級の車イス児童生徒の通学には原則付き添いを条件としているため、ほとんどの場合保護者が付き添っているのが現実です。災害や不慮の事態の際に児童・生徒の安全を確保できないという理由のためです。ボランティアさんに依頼したいと思っても、それは保護者が見つけてこなければなりません。また就学相談から就学判定に至るまでのやり取りのかなりの部分を保護者からの働きかけで行っている現状があるようです。こんな現状も少しでいいので考えていただきたい、という願いも持っています。寒さ厳しい季節ではありますが、多数のご参加をお待ちしています。
お申し込み・問い合わせは2月1日から。 koganenetwork@gmail.com またはチラシをご参照下さい。

2014/10/02

つなぐということ(9月28日講演会のご報告)



 9月28日(日)午後1時から萌え木ホールで開催された講演会「発達障がいに最新知見を学び、発達支援の地域連携を考える講座」は、会場の定員を超える来場者で、当日直接会場にいらした方には定員オーバーのために入場をお断りするという事態になりました。2012年6月の「子どもの発達支援と地域連携」講演会の時とまったく様子が同じで、「発達障がいの最新知見」と発達障がいの支援に欠かせない「地域連携」という2つのテーマに対する市民の皆さんの 高い関心を裏付ける結果と考えています。第1部講演会では神尾陽子先生より、ASD(自閉症スペクトラム)児の早期発見のメリットについて、支援の必要性を早く発見し、その子にとっての最適な支援につなげ、支援を連続して行うことの大切さについてのお話でした。現状では、発達障がいのある人々のニーズの把握が充分でないために対応が不十分なこと、適切な支援と対応がなされないと、思春期以降に「心の病気」を引き起こす可能性があるなどの課題も示されました。
 第2部では、障がい児保護者の皆さんと、行政の子育てに関する担当者(学校教育、保育士、保健師、幼稚園の園長先生、児童発達支援センターきらりの職員)をパネリストにお招きした意見交換を行いました。保護者の皆さんには、おひとりずつ違うお子さんの障がいと、それぞれのお子さんが支援につながるまでの過程と困難について伺い、行政担当者にその現状を語っていただきました。保護者が何に困った(困っている)のか、担当する皆さんに伝わったでしょうか。
 就学前は3歳児健診を過ぎると就学まで健診の機会がありません。子どもたちがこの期間を過ごす保育園や幼稚園などの職員が感じている、個別の配慮や支援が必要な子どもたちのニーズを把握し、いかにして適切な支援につなげるのかが重要です。小金井市には特別支援ニーズを受け止める拠点として、児童発達支援センターきらりがあります。しかし、保育士や幼稚園教諭が支援の必要性に気づいていても、保護者の了解なしには支援につなげることができません。私たちはここが一番の課題 と考えています。保護者は自分の子どもが幼稚園や保育所の集団生活の中でどういった行動をしているのかは知りません。子どもに毎日接している職員でしかわからない子どもの姿の中に、潜在する支援ニーズがあるのです。5歳になった時点で、子どもたち全員に発達検査をすれば個別の支援ニーズが把握できるわけですが、誰が検査するのか、保護者の理解や支援はどうするかなど、解決すべき課題も多いと感じています。今回講師をお願いした神尾先生からも、こうした課題解消のためには、子どものニーズを把握して、保護者の気持ちに寄り添い支援機関につないでいく地域のネットワークづくりが欠かせないとのお話でした。また、神尾先生自らもこうしたネットワークづくりにぜひとも協力したいとの力強いお申し出をいただき嬉しい限りです。私たちが高いカベと感じている学校教育との円滑な接続などについての建設的提案につなげていきたいと思います。
 また、企画の段階から学芸大学の高橋智教授と高橋研究室門下の先生や学生の皆さんにも多大なご協力とご支援をいただいたことも特に記しておきたいと思います。不器用で理屈ばかりなオヤヂたちの小競り合いを軽くいなしてお付き合い下さったひまわりママ代表のOさん初めとする皆さん、受付や保育を引き受けて下さった多くの皆さんにも感謝、感謝で頭が上がりません。今回のようなビッグな企画を成功に導いてくれたすべての皆さんに感謝です。
 これまで黄金ネットワークでは「行政が動かないなら自分たちで動いてみよう」と体を動かし活動してきました。この活動を理解してくれた方々のネットワークは、これからの小金井の新しい芽となる予感がします。愚痴をこぼさず、あきらめずに続けていく市民の情熱こそが、デリケートで微妙な問題を少しずつ溶かしていく力になるのではないでしょうか。
 最後に業務連絡。このジャケットが会場の忘れ物として届いています。どなたか心当たりの方がいらっしゃいましたら、黄金ネットワークメール  koganenetwork@gmail.com  までご連絡ください。

2014/08/27

神尾陽子先生から、9月28日講演会に向けたメッセージ


「就学前後の発達障害の最新知見:早期の診断・支援の意義と地域連携の重要性」国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部 神尾陽子


 2002年、2012年に文部科学省が実施した全国調査によれば、通常学級の6%強の子どもたちになんらかの発達障害リスクが示唆されている。自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)そして学習障害など、いわゆる発達障害の子どもたちの脳は、母親の胎内にある時から通常とは異なる道筋を辿って発達すると考えられている。彼らの物の見方、感じ方、考え方、そしてふるまいが平均的でなく、時にユニーク、時に社会生活上、問題となるのはそのことが背景にある。さらに、発達の偏りがあることによって、配慮の欠けた環境での生活、あるいはストレスの多い社会生活においては様々な困難が慢性化しやすく、その結果、うつ病や不安障害など、精神健康も害しやすく、ひきこもりにつながるケースも少なくない。発達障害の症状自体は軽症で、児童期に目立たないケースでも、成人後、職場での対人トラブル、結婚生活の破綻、さらにはうつ病、不安障害、アルコール・薬物問題あるいはひきこもりなどによって、社会生活に深刻な問題を示すこともある。発達障害については、近年の研究結果から従来よりも早い乳幼児期に発見が可能になっており、早期からの支援の有用性が示されてきた。そして早期から発達支援をすることは、発達の促進だけでなく、児童期から成人期までの精神健康やQOLの向上につながることもわかってきた。発達障害の早期発見と早期からの支援は、人生の長きにわたる精神健康の観点からきわめて重要であり、地域社会で取り組むべき課題ということが言える。そして発達障害のある子どもの心身の発達を途切れなく見守り、精神的に危機に直面したときには、早期に介入できるような地域ネットワークづくりの大切さを強調したい。

2014/08/10

9月28日講演会&意見交換会のお知らせ

 
 黄金ネットワークでは、小金井子育て・子育ち支援ネットワーク協議会との共催で、9月28日に講演会を開催します。講演会概要が固まり、ひまわりママ(発達がアンバランスな子どもの親の会)代表の小幡さんデザインの告知チラシも出来上がりました。
 講演会のテーマは、子どもの発達を支援するために必要な地域ネットワークについて、様々な立場の皆さんとともに考える機会にしたいと考えています。
 昨年、文科省が行った調査では、何らかの支援や配慮が必要な子どもたちの割合が6.5%にのぼることが示されました。黄金ネットワークでは、この数字を踏まえて、小金井市の発達支援のあり方を考えていきたいと思っています。
 市内の幼稚園在籍児童数は905人、認可保育所在籍児童数は、公民合計で1,397人です。両者合計は2,302人となり、そのうちの6.5%は約149人です。このうちどれだけの子どもたちが実際の支援につながっているのか、このニーズを把握し支援機関につながる割合が、その後の学校教育にも大きく影響を与えるのではないでしょうか。
 たぶんどこの自治体も同じだと思うのですが、たいていは子どもの支援の必要性に気づくのは、担当する施設の職員さんと聞きます。しかし保護者の同意がないと専門機関へ相談できないないため、子ども本人への支援の検討が先延ばしにされるケースが相当数あると考えられます。そこで、この講演会では、こうした子育て関係機関の職員さんの気づきを、専門機関につなげる工夫について、皆さんと意見交換をしたいと考えています。
 講演会は2部形式。第1部では、京都府舞鶴市で就学前の高機能自閉症発達検査のシステムを導入した際、専門家としてアドバイスを行った国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部 部長/児童精神科医の神尾陽子氏に発達障がいの最新知見を学びます。第2部では、小金井市の子ども関連の施設や機関で、日々子どもたちと向き合う専門家の方々、障がい児保護者と参加市民の皆さんを交えたパネルディスカッションを行います。
 現在の小金井市の児童発達支援センター「きらり」など、充実した地域資源を活用し、小金井に暮らすすべての子どもたちの育ちをしっかり支えていく地域ネットワークづくりについて、皆さんとともに考えてみたいと考えています。
 講演会の参加申し込みは、9月1日(月)から。先着順で受け付けます。お申し込みはkoganenetwork@gmail.com  または、FAX :042-301-9886 電話:090-8819-0785(鈴木) 問い合わせ先・小金井子育て・子育ちネットワーク協議会事務局(佐藤):電話:070-6488-5731まで。
皆様、奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます。

 

2014/07/08

地域交流集会「小金井まつり」


 7月5日(土)は都立小金井特別支援学校の夏まつり「小金井まつり」でした。正式には地域交流集会という位置づけで、学校とご近所の交流のために開催されるものです。
 当日はあいにくの雨のため、校庭ではなく体育館を会場にして行われました。黄金ネットワークとしての参加は11年目、来年からは校舎の立て替えで仮校舎に移転するため、この校舎を使うのは今年が最後です。


 夏まつりということで、保護者や地域の団体の模擬店や、教員の皆さんの太鼓、黄金ネットワーク秋山(慎)さん参加のペーターバンドの演奏など、それはにぎやかなお祭りでした。小金井の夏の風物詩の阿波踊り「おどりっこ連」の参加も今年始めて。会場を揺るがす踊りのうねりに圧倒されます
。昔々、まつりのアトラクションの出演者にお支払いするギャラで、まつりの経費の大半が消えていたことを思うと、現在の手作り感がいっぱいのこのイベントは地域交流ということを考えると大成功といえるのではないでしょうか。

 私たちのブースは輪投げゲーム。そして景品の目玉はカブトムシ。例年7月初旬のこの時期に子どもたちの期待に応えるだけのカブトムシを揃えられるかが最大の悩みです。もう少し時期が遅いと助かるのですが・・・。それでも雑木林で見つけたものや、幼虫から育った成虫を分けていただいたりで、成虫の数は少ないですが、何とか模擬店としての格好はついたといったところでした。
 それでもカブトムシの人気は抜群で、開店するとご覧のような行列でした。カブトムシをねらうこどもたちの目は真剣そのものです。また、様々な願いや悩みを持つ在校生保護者の皆さんと、様々な意見交換や交流ができる貴重な機会でもあります。
 校舎が完成して、現在地に戻るのは3年後です。それまでこのおまつりをどうするのかの議論は、在校生保護者の皆さんにゆだねたいところですが、地域交流イベントとしてのあり方を、移転中の問題も含めて検討していただきたいと思います。会場の準備にはおそらく多くの方のご協力があったはず。また毎年ご協力をいただいた教員の皆さんの献身的な取り組みにも感謝します。本当にありがとうございました。黄金ネットワークメンバーだけでなく、当日模擬店のお手伝いをいただいた皆さん、大変お疲れ様でした。そしてありがとうございました。





2014/01/18

(講演会のお知らせ)思春期・青年期をゆたかに生きて、おとなになっていくための講座



 2月23日に開催予定の講演会情報を更新しました。多くの皆さんのご協力をいただきながら準備を進めています。
 会場は、学芸大学N410教室。定員は100名とさせていただきました。今回は学芸大学の高橋智先生の全面的なご協力により実現しました。講演会は10時から。4人の講師をお願いし、まとめを含めた5部構成になりました。もちろんご希望の部の講演だけの参加も可能です。
 参加申し込みは、2月1日からになります。保育も、障がい児も含めて受け付けますので、お申し込みの際にお知らせ下さい。
 私たちの子どもには様々な障がいがあります。親として自分の子どもの障がいを認めることは実は簡単ではありませんでした。これは障がいの種類や程度とは関係ありません。皆さんが悩み、苦しむ部分です。
 また、地域社会のあり方も重要です。行政や多くの方の支援が必要な私たちの子どもに、行政や地域がそれぞれの場所から、ふさわしい支援が提供されるように願い、講演会を企画しました。思春期をむかえた子ども、そして就労に悩む子どもたちを支援する現場の最前線で活動する講師の皆さんのお話は、是非とも多くの皆さんに参加していただきたいと思います。参加の申し込み方法ですが、メールの方はkoganenetwork@gmail.comまで、・お名前(フリガナ)・参加予定演題番号(1部分のみ参加もできます)を記載。・保育希望者は、加えて電話番号、Eメールアドレス、お子さんの氏名、年齢、性別、希望時間を明記したメールを下さい。折り返し注意事項等をご相談ください。FAXの場合は042-301-9886まで。 お問い合わせ:090-8819-0785(鈴木)(15〜20時でお願いします)
※この講演会は、(社)生命保険協会「子育て家庭支援団体に対する助成活動」の助成を受けています。
主催:黄金ネットワーク(障がい児の父親の会)
協力:東京学芸大学高橋智研究室・ひまわりママ(発達がアンバランスな子どもの親の会)
後援:小金井市・小金井市教育委員会・東京学芸大学・東京学芸大こども未来研究所・小金井子育て子育ちネットワーク協議会。以上の各団体の皆様のご協力と、ご後援により企画しています。皆様多数のご参加をお持ちしております。