2015/06/17

もっとグループホームを!


黄金ネットワークでは4月から毎月連続「障がい児・者支援セミナーこがねい」を開催中です。障がい児の父親の会として、何か自分たちの知識を広げる自助の取り組みとして、景山会長の強い思い入れで始めた勉強会。今回は6月13日土曜日。テーマは知的障がい者グループホームについてです。
講師は、「小金井市手をつなぐ親の会」を母体とする「NPO法人さくら会」の伊藤耐子理事長をお招きしました。
さくら会は今年4月に法人初のグループホーム「来夢」をオープンしました。平成24年に行ったアンケートで設立希望者が18人いたことから、平成25年にグループホーム(以下GH)設立のための検討委員会を立ち上げ、GHの見学や学習会を重ね、土地探し、建設業者選定から東京都との補助金獲得の手続きなど、GHがオープンするまでの経緯を詳しく伺いました。大々的な告知はしていませんでしたが参加者は約30名と予想以上で、改めてこの問題の関心の高さを感じました。
お話の後、GHの様子を収めたDVDを見せていただき行った質疑応答や意見交換の中で、特に関心が高かったのは費用の問題でした。GH入所にはいくら必要なの? 入居後の家賃は? 障がい者年金の仕組みは? 何歳くらいに入所するのがいいの? GHの運営や職員の体制は?・・・などなど活発な意見が出されました。
やはり、この問題は障がい児者の保護者にとっては大きく、切実な問題なのだなあと実感。年金の制度、成年後見の仕組みなど、関連して学ぶべきテーマは実に多いのだなあとも思った次第です。
次回7月の学習会はお休みですが、8月は地元の小金井市で数々の施設を運営する社会福祉法人「雲柱社」で児童発達支援センターきらり、賀川学園、生活実習所で施設長などをお務めの中村悠子さんを講師にお招きする予定ですので、こちらもご期待ください。


2015/06/03

キッズカーニバル!

 5月31日(日)学芸大学を会場に行われたキッズカーニバルも今年で7回目。市内で子育てに関わる様々な団体の活動展示と発表の場として開催されています。メイン会場の芸術館のステージでのオープニングでは初回からこのビッグイベントを支え続けてきた小金井青年会議所(JC)の村越理事長のご挨拶から。
 会場では、スタンプラリー形式で参加団体のブースをまわる子どもにブースのスタンプを集めてもらい最後にバルーンをプレゼント。子どもを夢中にさせる仕掛けですね。これ。私たちは、児童発達支援センター「きらり」から機能訓練に使う型合わせパズルをお借りしてこれをゲームとし、ゲームをクリアした皆さんにスタンプ!
 当日は2500人といわれる参加者の多さもありましたが、ご覧のようにブースの前には終日ゲームを楽しむご家族の行列ができました。
 ゲームに集中する子どもと、その様子を見守るご家族の暖かい励ましのまなざし。パズルを完成させ目を輝かせる子どもたちの表情にこちらも力をいただきました。ゲームをする子どもの横で障がい児の父親の会としての私たちの活動展示にも目を向けていただくことができました。
 他の団体の活動や展示の工夫はとても参考になりますし、顔見知りが増えていくことも大きなよろこびです。このイベントで出会い、きずなを深めてきた団体さんが初出展し、ブースが賑わっていたこともうれしい出来事でした。


 小金井でこれだけの数の親子を集めるイベントは他にはありません。イベントが市民に浸透し定着した感があります。ただ残念なのは、一部のブース以外では行政職員の姿があまり見えてこなかったこと。イベントを共催している団体は市が事務局としても関わっているわけで、当日の来賓としてだけでなく出展者とともに、もっと汗をかいて企画に参加してもいいのかなと思います。あの大勢の参加者の熱気を肌で感じ取って欲しいよね、という声は以前から聞く声です。
 
 参加者が多くてスタンプ用紙が足らない時間帯もあったのですかね? でもイベント全体としては大成功。イベント当日まで完全なボランティアで、企画と運営をバックヤードで支えたJCメンバーには本当に頭が下がります。素晴らしいイベントに出展者として参加できたこと、大勢の方がブースに立ち寄ってくれたことに改めて感謝です。

2015/05/20

学校って、いったい誰のもの?


 入学を希望すれば全員を受け入れる大空小学校は、不登校ゼロ。自閉症、知的障がい、身体に不自由があっても、みんな同じクラス。そんな大阪の小さな小学校の1年間をつづった話題の映画「みんなの学校」。映画を通して教室や職員室で起きる様々な事件をみんなと一緒に「参観」するこの映画を見ると、学校のあり方や教育の目的は何かという根源的な問題を考えさせられます。映画を見る人の立場の違いにより、映画の受け止め方は人それぞれと思いますが、映画が発する強いメッセージを感じます。
 この映画の自主上映会の実行委員会が小金井市でも立ち上がりました。このたび実行委員のご奮闘によって上映日が決まりましたのでおしらせします。日程は9月4日(金)に。気になる会場は、武蔵小金井駅南口駅前の市民交流センター1F小ホールです。生まれたばかりの実行委員会では、企画の実現に手を貸していただける方や協力団体を絶賛募集中。もちろん黄金ネットワークも協力団体の一つとして、ふかーく関わっていきたいと話し合いをしています。
 また、障がい児と障がい者に関わる団体としては、この映画を多くの方、特に普通学級に子どもを通わせている多くの皆さんに見ていただき、この問題に触れて欲しいと強く願っています。学校教育現場では、まだまだインクルージョンの配慮が足りません。黄金ネットワークとしては、この上映会に連動する形で、子どもたちの最善の利益とは何か
、教育の機会を提供する学校の役割と、学校を取り巻く地域のあり方について、地域の皆さんと考える企画も準備していきたいと構想中です。

2015/05/18

障がい者が、地域で生きていくことを考えるセミナー

<障がい児・者支援セミナーこがねい>


小金井市における障がい児・者の理解と支援向上を目指し、黄金ネットワークでは、この 4 月 から少人数の月例勉強会を始めました。自分たちの子どもや家族と暮らしていくために必要な情報を自ら学んでみたいということで、自助活動ともいえる取り組みです。日程は毎月第 2 土曜日の午後。場所は 市内公民館で開催予定です。 6 月度は、NPO 法人さくら会理事長の伊藤耐子さんに、この 4 月に開所したばかりの、グループホーム「ら いむ(來夢)」の立ち上げを中心に、地域に根ざした、障がい者グループホームの必要性と開所 の経緯をお話しいただきます。参加対象はいわゆる障がい者のご家族だけでなく、地域に暮らす市民の皆様にも幅広くご参加いただけると幸いです。また当日は、参加者の意見・情報交換も行います。皆様奮ってご参加 くださいますようご案内申し上げます。

演題 『グループホーム立ち上げについて 』
講師  伊藤耐子氏(NPO 法人さくら会)
日時  2015 年 6 月 13 日(土) 14 時~16 時
第1部 講演会 14 時~15 時
第2部 質疑と参加者の意見・情報交換会 15~16 時

場所  小金井市貫井北センター(きたまちセンター)  学習室C、D
(小金井市貫井北町 1-11-12)

申込み・問合せ  申込み不要
問合せ:koganenetwork@gmail.com
参加費 無料

主催  黄金ネットワーク(障がい児の父親の会) 
http://koganenetwork.blogspot.jp/
協力  小金井市手をつなぐ親の会 学齢部、小金井子育て・子育ち支援ネットワーク協議会
後援  小金井市障害者地域自立生活支援センター、小金井市障害者福祉センター NPO法人さくら会   
※ 本セミナーは、公益財団法人倶進会一般助成を受けて開催しています。

2015/02/19

子どもたちはみんな、動くものが大好き!


 2月11日の祝日に開催した車イスバスケットボール体験教室「くるまいす×すまいる2」。市立第4小学校体育館をお借りして開催しました。2012年の夏休みに第2小学校のサマースクールとして行って以来2年ぶり。今回コーチをお願いしたのは、日本で最初の車イス女子チーム「GRACE」の皆さん。今回は選手4人で参加してくれました。とにかく、ひとりでも多くの小学生に車イスに触れてもらうこと。車イスユーザーの介助を学ぶことも大切ですが、実戦的な「ゲーム」を体験し、車イスに触れてもらいたくて企画しました。


 なぜ車イスの車輪が「ハの字」なのか。機敏に動き回るための工夫なのですね。そしてブレーキもついていません。走る時も、止まるときもハンドリム(車輪の外側の輪)を使います。子どもたちはすぐにコツを飲みこみ、乗りこなします。自在に車イスを乗りこなして走り回る子どもたちの笑顔が格別です。

  小金井市内の小学校にも、少数、車イスユーザーの子どもさんがいます。しかし小金井では知的な発達に遅れがない場合でも、緊急時に児童の安全確保が難しいとして、都立特別支援学校の肢体不自由児校への就学を進めています。通学校は小金井市の場合、中央線北側が小平特別支援学校、南側は府中けやきの森学園(特別支援学校)への通学(原則スクールバス通学)になってしまうのが辛いところ。

 保護者がそうした「ススメ」にも屈せずに市内の普通学級へ就学を希望する場合は、当該児童に付き添うことを条件に就学を認めているようです。しかし明確なルールは存在せず、願いを実現するには保護者の粘り強い交渉が必要です。
 こうした現状をもっと広く知っていただきたい思いは強く持っていますが、まずは、多くの子どもたちに車イスに触れて、操縦して親しみ楽しんでもらうことを今回の主眼に据え、実践的ゲームにこだわりました。



 予想を超える来場者の中で、市長や教育長にも大変お忙しい中ご来場いただき、目を輝かせて走り回る子どもたちの姿を見ていただき、参加者と一緒に体験していただけたことも大きな収穫です。
・・・今後に期待しましょう。


 冷え込みがきつい2月の体育館の開催にもかかわらずに、今回も実に多くの方が参加してくれました。2020年東京オリンピックとともに開催されるパラリンピック。市民の皆さんには、ぜひともこの機会に障がい者スポーツへの理解が深まる工夫をお願いしたいですね。そして小金井市に車イスバスケファンが増えることを期待したいです。最後に、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたグレースの皆さんに心からの感謝をお伝えしたいと思います。本当に有難うございました。

2015/01/20

車いすバスケットボール体験教室「くるまいす×すまいる」ふたたび

 2月11日(水)建国記念日の祝日に、車イスバスケットボール体験教室「くるまいす×すまいる2」開催します。会場は小金井市立小金井第四小学校体育館で、9時45分スタートです。お招きするのは、日本初の女子車イスバスケットボールチーム「GRACE」さんです。主な対象は小学生としていますが、事前にお申し込みをいただければどなたでも参加できます。

 まずは車イスと車イスバスケットボールに触れていただき、障がいについても考えるきっかけにしていただければ幸いです。
 小金井市の公立小学校では、普通学級の車イス児童生徒の通学には原則付き添いを条件としているため、ほとんどの場合保護者が付き添っているのが現実です。災害や不慮の事態の際に児童・生徒の安全を確保できないという理由のためです。ボランティアさんに依頼したいと思っても、それは保護者が見つけてこなければなりません。また就学相談から就学判定に至るまでのやり取りのかなりの部分を保護者からの働きかけで行っている現状があるようです。こんな現状も少しでいいので考えていただきたい、という願いも持っています。寒さ厳しい季節ではありますが、多数のご参加をお待ちしています。
お申し込み・問い合わせは2月1日から。 koganenetwork@gmail.com またはチラシをご参照下さい。

2014/10/02

つなぐということ(9月28日講演会のご報告)



 9月28日(日)午後1時から萌え木ホールで開催された講演会「発達障がいに最新知見を学び、発達支援の地域連携を考える講座」は、会場の定員を超える来場者で、当日直接会場にいらした方には定員オーバーのために入場をお断りするという事態になりました。2012年6月の「子どもの発達支援と地域連携」講演会の時とまったく様子が同じで、「発達障がいの最新知見」と発達障がいの支援に欠かせない「地域連携」という2つのテーマに対する市民の皆さんの 高い関心を裏付ける結果と考えています。第1部講演会では神尾陽子先生より、ASD(自閉症スペクトラム)児の早期発見のメリットについて、支援の必要性を早く発見し、その子にとっての最適な支援につなげ、支援を連続して行うことの大切さについてのお話でした。現状では、発達障がいのある人々のニーズの把握が充分でないために対応が不十分なこと、適切な支援と対応がなされないと、思春期以降に「心の病気」を引き起こす可能性があるなどの課題も示されました。
 第2部では、障がい児保護者の皆さんと、行政の子育てに関する担当者(学校教育、保育士、保健師、幼稚園の園長先生、児童発達支援センターきらりの職員)をパネリストにお招きした意見交換を行いました。保護者の皆さんには、おひとりずつ違うお子さんの障がいと、それぞれのお子さんが支援につながるまでの過程と困難について伺い、行政担当者にその現状を語っていただきました。保護者が何に困った(困っている)のか、担当する皆さんに伝わったでしょうか。
 就学前は3歳児健診を過ぎると就学まで健診の機会がありません。子どもたちがこの期間を過ごす保育園や幼稚園などの職員が感じている、個別の配慮や支援が必要な子どもたちのニーズを把握し、いかにして適切な支援につなげるのかが重要です。小金井市には特別支援ニーズを受け止める拠点として、児童発達支援センターきらりがあります。しかし、保育士や幼稚園教諭が支援の必要性に気づいていても、保護者の了解なしには支援につなげることができません。私たちはここが一番の課題 と考えています。保護者は自分の子どもが幼稚園や保育所の集団生活の中でどういった行動をしているのかは知りません。子どもに毎日接している職員でしかわからない子どもの姿の中に、潜在する支援ニーズがあるのです。5歳になった時点で、子どもたち全員に発達検査をすれば個別の支援ニーズが把握できるわけですが、誰が検査するのか、保護者の理解や支援はどうするかなど、解決すべき課題も多いと感じています。今回講師をお願いした神尾先生からも、こうした課題解消のためには、子どものニーズを把握して、保護者の気持ちに寄り添い支援機関につないでいく地域のネットワークづくりが欠かせないとのお話でした。また、神尾先生自らもこうしたネットワークづくりにぜひとも協力したいとの力強いお申し出をいただき嬉しい限りです。私たちが高いカベと感じている学校教育との円滑な接続などについての建設的提案につなげていきたいと思います。
 また、企画の段階から学芸大学の高橋智教授と高橋研究室門下の先生や学生の皆さんにも多大なご協力とご支援をいただいたことも特に記しておきたいと思います。不器用で理屈ばかりなオヤヂたちの小競り合いを軽くいなしてお付き合い下さったひまわりママ代表のOさん初めとする皆さん、受付や保育を引き受けて下さった多くの皆さんにも感謝、感謝で頭が上がりません。今回のようなビッグな企画を成功に導いてくれたすべての皆さんに感謝です。
 これまで黄金ネットワークでは「行政が動かないなら自分たちで動いてみよう」と体を動かし活動してきました。この活動を理解してくれた方々のネットワークは、これからの小金井の新しい芽となる予感がします。愚痴をこぼさず、あきらめずに続けていく市民の情熱こそが、デリケートで微妙な問題を少しずつ溶かしていく力になるのではないでしょうか。
 最後に業務連絡。このジャケットが会場の忘れ物として届いています。どなたか心当たりの方がいらっしゃいましたら、黄金ネットワークメール  koganenetwork@gmail.com  までご連絡ください。