2015/12/24

クリスマス会は続くよ来年も

12月13日に開催したクリスマス会は、今年が17回目。会場が確保できなかったり、インフルエンザの大流行があったり何度かの危機を乗り越え回数を重ねてきました。
当時は東京都の施設で、現在は社会福祉法人運柱社が運営する生活実習所に場所を移して以降は毎年この場所にお世話になっています。
当時ピノキオ幼児園に通う自分たちの子どもに楽しんでもらおうと始めたクリスマス会ですが、ウチの息子はもう20歳、今はピノキオから発展した児童発達支援センターきらりの利用者や、ここを卒園して就学した子どもたちと家族の皆さんが参加してくれるようになり、参加者は100人を超える規模になっています。


アトラクションも年々充実し、今年初めて学童保育に関わる皆さんならご存知マスター木村にオープニングアクトをお願いし、その後は大きな絵本の読み聞かせ、元ピノキオ幼児園保育士さんの手遊び歌、秋山さんちのお父さんバンドのクリスマスソングなど熱演していただきました。

毎年楽しみに来てくれるご家族もいて、参加した皆さんの「楽しかったー」の一言に準備の苦労は吹き飛びます。

アトラクションが一段落し、いよいよサンタクロースが会場の子どもたちに用意したプレゼントを配ることに。



やっぱりこの瞬間がクライマックス。今年は自前のサンタコスを用意したサンタ「2」も大活躍でした。
プレゼントの後は手作りクリスマスケーキを食べながらのおやつタイム。ピノキオ、きらりを卒業後、それぞれの進路に分かれて生活している皆さんが一堂に会する場所として、それぞれの近況や情報交換をする同窓会的な雰囲気になります。
楽しい時間もあっという間。最後は参加者全員で記念撮影。参加した子どもたちの生活の場所は小学校、中学校と移り変わっていきますが、学齢期が終われば小金井市の就労支援の元で福祉的就労につくケースが多いはず。そしていずれは家庭から独立してグループホームに入居することになるでしょう。その時の小金井がこうした子どもたちのニーズを受け止められる地域であるように、私たちはあきらめず、粘り強く活動を続けていきたいものです。子どもたちには年代に応じた支援が必要です。こうしたニーズの地域に伝える発信源として、私たちのゆるやかなつながりの大切さを再認識したひと時になりました。






2015/08/06

いちばん困っているのは、子ども自身

8月2日(日)「この子の困りごとはなんだろう?」ケースカンファレンス①、ひまわりママ(発達にアンバランスのある子どもの親の会)と黄金ネットワーク(障がい児の父親の会)わいわい会(元ぴのきお幼児園保護者OBの会)との共催。学芸大学高橋智研究室、小金井子育て子育ち支援ネットワーク協議会のご協力と小金井市教育委員会の後援で開催しました。これまで様々な子どもの発達支援の専門家をお招きした講演会を企画し、子どもの発達支援を支える行政のあり方などについての議論はしてきました。何回か開催した主催者側の感想として、当事者となる子どもがどのような状態なのか、保護者はどう寄り添えばいいのかなどの視点で掘り下げてみたい思いが今回の企画につながりました。
困りごとをお持ちの母親役のひまわりママスタッフが、その内容をお話しして、そのケースごとに専門家が支援の方法を提案する形で「カンファレンス」を行いました。困りごとの具体的内容は、ひまわりママメンバーの幾人かの事例について、子どもの年代ごとに分かりやすい形に整理し、ケース1「自分のルールを通してまわりとぶつかる子」。ケース2「大人しいけれど苦手が多くてつらいと言えない子」のふたつの事例について、母親が専門家に相談するやりとりを参加者の前で行ったのです。
事前に良く検討した台本を作り、台本に従ってやりとりをしたのですが、事例は実際に起きたことなので会場の参加者がうなずきながら話しを聞く姿が印象的でした。
小金井市で子どもの発達支援に関わる方々9人をパネラーにお招きしてケースごとに支援の提案をしていただきました。
児童発達支援センター「きらり」副センター長 中村悠子さん。同相談支援専門員 岩本久美子さん。幼稚園協会代表として朋愛幼稚園園長 佐々木徳行さん。民間保育園代表としてしんあい保育園園長 茂森ミエさん。小金井市教育委員会指導室総括指導主事 高橋良友さん。同学校教育部学務課 中村 隆さん。社会医学技術学院作業療法課 兵頭洋子さん。放課後デイサービス「おもちゃ箱こがねい」臨床発達支援士 米澤るみさん。東京学芸大学特別ニーズ教育分野教授 高橋 智さんといった方々です。
これらのほとんどの方々が、実際に行政の中で子どもの発達支援に関わっているので、母親役とのやりとりもリアルに出来たわけです。

 第2部では、これまた初めての試みで、事前予約制で参加希望者とパネラーとの個別相談を同じ会場で行いました。
やはりこれも希望者が多く個別相談ブースは常に相談者がいる状況でした。ただ、「きらり」ブースの相談者がいなかったことは意外でした。なぜでしょうかね。想像するに、参加者はすでに「きらり」になんらかの形でつながっていて、その先の支援(つまり就学などの問題)についてを相談されていたのでしょうか。少し気になります。
「きらり」は一時的な相談の受け皿ではありません。一般相談から専門相談に移り、専門相談の中で最適な支援を提供する手立てを提案し、子どもさんの状況の改善や、就学前から中学卒業まで、次のステップに向けた具体的支援が提供されることが当然と考えていましたが、違うのでしょうか。
「きらり」は我が子の育ちに不安を感じた保護者が相談に訪れるわけですから担当者が「話しを聞いておしまい」では困るのです。その先の支援の見通しを示していただかないといけません。
ここは「きらり」の設置を長年望んだ市民の皆さんとの運動により施設の新設を実現させた黄金ネットとしても、しっかりと検証しなければいけない重要なポイントと感じました。

今回の「ケースカンファレンス」は、参加者アンケートなど拝見しても概ね好評でした。隣の部屋を借りて行った福祉作業所のクッキー販売と子どもの困りごとや障がい理解に関連した図書の貸出しも好評でした。ただ、時間の関係から会場の参加者からのご意見や質問をお受けする時間が取れなかったことは今後の改善点です。今回は第2部の個別相談を行いたかったため、意見交換と質問の時間が取れないことを事前にアナウンスさせていただいたのですが、やはり質問したかったとのご意見をいただきました。それだけ参加者にとってリアルな内容だったからでしょうか。次回は改善します。
次回、ケースカンファレンス2では、肢体不自由児と保護者からの「困り」について考える企画の予定です。
2016年(平成28年度)から施行される障がい者差別解消法により、障がい者に対する障がいを理由とした差別が禁止されますが、小金井市における肢体不自由児の現場を知り、適切な支援とは何かについて、参加者の皆さんと考える機会にしたいと思っています。企画が固まり次第ご案内します。


2015/06/17

もっとグループホームを!


黄金ネットワークでは4月から毎月連続「障がい児・者支援セミナーこがねい」を開催中です。障がい児の父親の会として、何か自分たちの知識を広げる自助の取り組みとして、景山会長の強い思い入れで始めた勉強会。今回は6月13日土曜日。テーマは知的障がい者グループホームについてです。
講師は、「小金井市手をつなぐ親の会」を母体とする「NPO法人さくら会」の伊藤耐子理事長をお招きしました。
さくら会は今年4月に法人初のグループホーム「来夢」をオープンしました。平成24年に行ったアンケートで設立希望者が18人いたことから、平成25年にグループホーム(以下GH)設立のための検討委員会を立ち上げ、GHの見学や学習会を重ね、土地探し、建設業者選定から東京都との補助金獲得の手続きなど、GHがオープンするまでの経緯を詳しく伺いました。大々的な告知はしていませんでしたが参加者は約30名と予想以上で、改めてこの問題の関心の高さを感じました。
お話の後、GHの様子を収めたDVDを見せていただき行った質疑応答や意見交換の中で、特に関心が高かったのは費用の問題でした。GH入所にはいくら必要なの? 入居後の家賃は? 障がい者年金の仕組みは? 何歳くらいに入所するのがいいの? GHの運営や職員の体制は?・・・などなど活発な意見が出されました。
やはり、この問題は障がい児者の保護者にとっては大きく、切実な問題なのだなあと実感。年金の制度、成年後見の仕組みなど、関連して学ぶべきテーマは実に多いのだなあとも思った次第です。
次回7月の学習会はお休みですが、8月は地元の小金井市で数々の施設を運営する社会福祉法人「雲柱社」で児童発達支援センターきらり、賀川学園、生活実習所で施設長などをお務めの中村悠子さんを講師にお招きする予定ですので、こちらもご期待ください。


2015/06/03

キッズカーニバル!

 5月31日(日)学芸大学を会場に行われたキッズカーニバルも今年で7回目。市内で子育てに関わる様々な団体の活動展示と発表の場として開催されています。メイン会場の芸術館のステージでのオープニングでは初回からこのビッグイベントを支え続けてきた小金井青年会議所(JC)の村越理事長のご挨拶から。
 会場では、スタンプラリー形式で参加団体のブースをまわる子どもにブースのスタンプを集めてもらい最後にバルーンをプレゼント。子どもを夢中にさせる仕掛けですね。これ。私たちは、児童発達支援センター「きらり」から機能訓練に使う型合わせパズルをお借りしてこれをゲームとし、ゲームをクリアした皆さんにスタンプ!
 当日は2500人といわれる参加者の多さもありましたが、ご覧のようにブースの前には終日ゲームを楽しむご家族の行列ができました。
 ゲームに集中する子どもと、その様子を見守るご家族の暖かい励ましのまなざし。パズルを完成させ目を輝かせる子どもたちの表情にこちらも力をいただきました。ゲームをする子どもの横で障がい児の父親の会としての私たちの活動展示にも目を向けていただくことができました。
 他の団体の活動や展示の工夫はとても参考になりますし、顔見知りが増えていくことも大きなよろこびです。このイベントで出会い、きずなを深めてきた団体さんが初出展し、ブースが賑わっていたこともうれしい出来事でした。


 小金井でこれだけの数の親子を集めるイベントは他にはありません。イベントが市民に浸透し定着した感があります。ただ残念なのは、一部のブース以外では行政職員の姿があまり見えてこなかったこと。イベントを共催している団体は市が事務局としても関わっているわけで、当日の来賓としてだけでなく出展者とともに、もっと汗をかいて企画に参加してもいいのかなと思います。あの大勢の参加者の熱気を肌で感じ取って欲しいよね、という声は以前から聞く声です。
 
 参加者が多くてスタンプ用紙が足らない時間帯もあったのですかね? でもイベント全体としては大成功。イベント当日まで完全なボランティアで、企画と運営をバックヤードで支えたJCメンバーには本当に頭が下がります。素晴らしいイベントに出展者として参加できたこと、大勢の方がブースに立ち寄ってくれたことに改めて感謝です。

2015/05/20

学校って、いったい誰のもの?


 入学を希望すれば全員を受け入れる大空小学校は、不登校ゼロ。自閉症、知的障がい、身体に不自由があっても、みんな同じクラス。そんな大阪の小さな小学校の1年間をつづった話題の映画「みんなの学校」。映画を通して教室や職員室で起きる様々な事件をみんなと一緒に「参観」するこの映画を見ると、学校のあり方や教育の目的は何かという根源的な問題を考えさせられます。映画を見る人の立場の違いにより、映画の受け止め方は人それぞれと思いますが、映画が発する強いメッセージを感じます。
 この映画の自主上映会の実行委員会が小金井市でも立ち上がりました。このたび実行委員のご奮闘によって上映日が決まりましたのでおしらせします。日程は9月4日(金)に。気になる会場は、武蔵小金井駅南口駅前の市民交流センター1F小ホールです。生まれたばかりの実行委員会では、企画の実現に手を貸していただける方や協力団体を絶賛募集中。もちろん黄金ネットワークも協力団体の一つとして、ふかーく関わっていきたいと話し合いをしています。
 また、障がい児と障がい者に関わる団体としては、この映画を多くの方、特に普通学級に子どもを通わせている多くの皆さんに見ていただき、この問題に触れて欲しいと強く願っています。学校教育現場では、まだまだインクルージョンの配慮が足りません。黄金ネットワークとしては、この上映会に連動する形で、子どもたちの最善の利益とは何か
、教育の機会を提供する学校の役割と、学校を取り巻く地域のあり方について、地域の皆さんと考える企画も準備していきたいと構想中です。

2015/05/18

障がい者が、地域で生きていくことを考えるセミナー

<障がい児・者支援セミナーこがねい>


小金井市における障がい児・者の理解と支援向上を目指し、黄金ネットワークでは、この 4 月 から少人数の月例勉強会を始めました。自分たちの子どもや家族と暮らしていくために必要な情報を自ら学んでみたいということで、自助活動ともいえる取り組みです。日程は毎月第 2 土曜日の午後。場所は 市内公民館で開催予定です。 6 月度は、NPO 法人さくら会理事長の伊藤耐子さんに、この 4 月に開所したばかりの、グループホーム「ら いむ(來夢)」の立ち上げを中心に、地域に根ざした、障がい者グループホームの必要性と開所 の経緯をお話しいただきます。参加対象はいわゆる障がい者のご家族だけでなく、地域に暮らす市民の皆様にも幅広くご参加いただけると幸いです。また当日は、参加者の意見・情報交換も行います。皆様奮ってご参加 くださいますようご案内申し上げます。

演題 『グループホーム立ち上げについて 』
講師  伊藤耐子氏(NPO 法人さくら会)
日時  2015 年 6 月 13 日(土) 14 時~16 時
第1部 講演会 14 時~15 時
第2部 質疑と参加者の意見・情報交換会 15~16 時

場所  小金井市貫井北センター(きたまちセンター)  学習室C、D
(小金井市貫井北町 1-11-12)

申込み・問合せ  申込み不要
問合せ:koganenetwork@gmail.com
参加費 無料

主催  黄金ネットワーク(障がい児の父親の会) 
http://koganenetwork.blogspot.jp/
協力  小金井市手をつなぐ親の会 学齢部、小金井子育て・子育ち支援ネットワーク協議会
後援  小金井市障害者地域自立生活支援センター、小金井市障害者福祉センター NPO法人さくら会   
※ 本セミナーは、公益財団法人倶進会一般助成を受けて開催しています。

2015/02/19

子どもたちはみんな、動くものが大好き!


 2月11日の祝日に開催した車イスバスケットボール体験教室「くるまいす×すまいる2」。市立第4小学校体育館をお借りして開催しました。2012年の夏休みに第2小学校のサマースクールとして行って以来2年ぶり。今回コーチをお願いしたのは、日本で最初の車イス女子チーム「GRACE」の皆さん。今回は選手4人で参加してくれました。とにかく、ひとりでも多くの小学生に車イスに触れてもらうこと。車イスユーザーの介助を学ぶことも大切ですが、実戦的な「ゲーム」を体験し、車イスに触れてもらいたくて企画しました。


 なぜ車イスの車輪が「ハの字」なのか。機敏に動き回るための工夫なのですね。そしてブレーキもついていません。走る時も、止まるときもハンドリム(車輪の外側の輪)を使います。子どもたちはすぐにコツを飲みこみ、乗りこなします。自在に車イスを乗りこなして走り回る子どもたちの笑顔が格別です。

  小金井市内の小学校にも、少数、車イスユーザーの子どもさんがいます。しかし小金井では知的な発達に遅れがない場合でも、緊急時に児童の安全確保が難しいとして、都立特別支援学校の肢体不自由児校への就学を進めています。通学校は小金井市の場合、中央線北側が小平特別支援学校、南側は府中けやきの森学園(特別支援学校)への通学(原則スクールバス通学)になってしまうのが辛いところ。

 保護者がそうした「ススメ」にも屈せずに市内の普通学級へ就学を希望する場合は、当該児童に付き添うことを条件に就学を認めているようです。しかし明確なルールは存在せず、願いを実現するには保護者の粘り強い交渉が必要です。
 こうした現状をもっと広く知っていただきたい思いは強く持っていますが、まずは、多くの子どもたちに車イスに触れて、操縦して親しみ楽しんでもらうことを今回の主眼に据え、実践的ゲームにこだわりました。



 予想を超える来場者の中で、市長や教育長にも大変お忙しい中ご来場いただき、目を輝かせて走り回る子どもたちの姿を見ていただき、参加者と一緒に体験していただけたことも大きな収穫です。
・・・今後に期待しましょう。


 冷え込みがきつい2月の体育館の開催にもかかわらずに、今回も実に多くの方が参加してくれました。2020年東京オリンピックとともに開催されるパラリンピック。市民の皆さんには、ぜひともこの機会に障がい者スポーツへの理解が深まる工夫をお願いしたいですね。そして小金井市に車イスバスケファンが増えることを期待したいです。最後に、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたグレースの皆さんに心からの感謝をお伝えしたいと思います。本当に有難うございました。