2007/09/14

郵便配達

少し昔の話である。知的発達障がいの次男が自宅の庭で遊んでいたとき、郵便配達のバイクがやってきた。彼はバイクの音に驚いたのか、それとも突然目の前に現れた他人の出現が気に入らなかったのか、こともあろうに郵便配達の人にむかって小石混じりのジャリを投げつけたのだ。すぐに気づいた母親が謝ったのだが、郵便配達(以下郵)は怒ったそうだ。それはそうだろう、配達先で出くわした子どもにいきなり小石を投げつけられたのだから。しかしこの頃の彼はよく物を投げていた。(彼の名誉のために言うが、今は成長し、そんなことは決してしない。彼なりに感情や要望を伝えられるようになったからだ)パニック、あるいは不満の表現として、手に持っていた物を瞬間的に投げていたのだ。  そんなことを知る由もない(郵)は激高したそうで、「警察に連絡されても仕方ないことをされたのだ」と言って立ち去ったそうである。 私は仕事から帰宅してその一件を聞いたわけだが、その場にたまたま長男が居あわせていたという事を聞いて今度はこちらの感情が沸騰してしまったのである。 まず、小石の一件については母親がすぐに謝っているのである。当時小学生だった長男にとって、偶然目にした出来事にしろ、「郵便やさん」が自分の弟に対し「警察に連絡云々」と言ったのだ。彼は当時何と思っただろう。弟の障がいのことを直接このような形で他人から言われるとは。しかも「ケイサツ」である。私はすぐ郵便局の「お客様係」のような部署に電話した。応対した職員に事の顛末を説明した。そして、「なぜ長男の目の前であのような事を言うのか、当時小学生の長男にとってケイサツという言葉がどれだけの恐怖を伴うものか理解すべきである。しかも次男の障がいが原因なのだ」。と言うとお客様係は「大変申し訳ありません」とひたすら平身低頭、この男は実に職務に忠実なのである。「もう二度とこのようなことがないようにいたしますので・・」と繰り返し。そりゃそうだ。こんなことが二度あってたまるかと思う。私は、「郵政民営化後、民間の会社員として、配達先でこのような対応ができるのか、よく考えて欲しい」と最後に伝えた。ちょうどこの頃はK泉氏が「郵政民営化」を声高らかに叫んでいた頃のことである。              
あの配達の人、今頃どこで何をしているのでしょう。もう定年かな?そんな郵便局が、もうスグ「民営化」だそうで。CM見るたびに思い出しますよ。この時の出来事。