2007/12/05

学校の選択


 我が家で購読している新聞の投書欄で、ある議論がされている。我が子の就学先に養護学校を選んだ親と、普通学級を選んだ親。「選択」についての議論である。それぞれ、1人ひとりの「違い」が大きい障がい児にとっての就学先の選択・・・悩みは深くてフクザツだと思うのだが・・・
11/27の投書。
―『「一緒に学ぶ」なぜいけない 』―千葉県松戸市に住むこの方の息子さんは自閉症の小学5年生。就学相談では養護、心障学級を進められたが幼稚園の頃の息子の様子から「みんなと一緒にいることを望んでいると感じ」現在は普通学級。その中でクラスメイトに支えられて成長している事を実感しているとのこと。ところが、7月から千葉県で施行された「障害者差別をなくす条例」によると特別支援教育を断ると「親が子どもを差別している」ということになると言うのです。県庁の見解も「断ると不利益取扱者になる場合もある」そうで「皆と一緒に学びたいと願うことがどうして子どもに不利益を与え、差別をすることになるのでしょう」と訴える内容。

これに対する投書が4日付で2通。―『子どもの幸せを考えて選んだ』―重度の知的障がいで自閉傾向の「双子」の父親。これが何と同じ学校の父親F氏。養護学校で父親の会を立ち上げませんか?と、9月に講演会を主催した方です。この方は投書の中で、就学前、施設の担当者から「保護者に普通校への進学希望があればかなえてあげたい」と言われたが、養護を選んだ。普通校に通わせるのは「親のエゴだ」という理由が第一。「平均的な子ども達を作ることが目的の普通校では息子達は様々な差別に会うからだ」とも主張しています。「保護者は専門家ではないが、子どもの幸せを一番に考えた」結果、養護学校に通わせている。と、結んでいます。

一方、普通学級に通学していた立場から1通。―『進路決める役、条例でなく親』―現在息子さんは25歳。当時「親の見栄や外聞の悪さで普通学級を選ぶ」ように思われていたが社会性、秩序「普通で居ること」を経験できる環境で過ごしたことで、養護学校では出来ない体験をして成長し、現在は西陣織の仕事についているそうで「展示会に友達が来てくれるのも普通学級を選んだためで本当に良かったと思っています」とのこと。そんな自身の体験から「進路は条例による強制ではなく、この生涯に責任を持っている親の選択に任せるべき」との主張。うーん。どちらももっともな内容。内容を分析して是非を問うことは無意味だと思う。でもそれぞれが、子を思う親の気持ちだ。
これは永遠のテーマなんだろうか?議論の行く末はどうなるのか。興味深い。
でも、差別を禁止する条例が新たな差別を生んでいるような気がするなあ・・・
チバケン。。