2008/03/19

質問の回答

さて、傍聴した市議会での質問とそれに対する答弁の内容はどうだったのか実際のやり取りを紹介したいと思う。 
(内容は完全に正確ではないかもしれません)
(問) 心身障がい児、発達障がい児の早期発見・相談・療育の連携について
(答) 現在の業務は決して充分ではない。発達支援法に沿って対応していく。各部署の連携が必要。
(問) 子どもの発達が実感できる療育内容を求める。障がい児はどこの部署が主体となって受け入れるのか。子育て支援、子育て相談業務は障がいの有無に関わらずに受け入れるべき
(答) 障がい児の支援は子育て支援の一環でやっていく。
(問) 答申で指摘されたピノキオの課題の具体化と進捗状況について問う。(ピノキオの保護者からの聞き取り、児福審の会議録、巻末のアンケート結果から引用した障がいの症例の紹介とそれに伴う様々な事例を詳細に紹介)
(答) 答申で課題が指摘されているピノキオの事業内容は現在も検討中。区画整理事業計画が明らかになった時点で検討する。
(問) 移転について、利用者、関係者、専門家をふくめ、施設のあり方を検討しないか
(答) 区画整理事業計画が明らかになった時点で検討する。発達支援センターも検討。
(問) 「計画が明らか」とはどの時点をいうのか。ピノキオの方針を持って計画にあたるべき。     ピノキオと発達支援センター業務とは分けて考えるべき。施設の建替えのための施設検討委員会を立ち上げるべき。
(問)子ども発達支援センターの設置について市の見解は
(答) ピノキオの規模は現状と同じ。発達支援センター業務とピノキオは別に考える。
(問) 障がい児施策の基本計画が必要。ピノキオの運営にはコスト論を当てはめるべきではない。(答申の結論部分の引用)現在の業務や拡充策の検討を加えつつ公設公営で継続運営する・・・ 以上を踏まえて、施設検討委員会の設置について、市長の見解を求めたい。
(市長)サービスの低下は考えていない。充実させたい。限られた状況の中で充実策を検討する。
(子ども家庭部長)検討委については子ども家庭部でやっていきたい。
(問)サービスを低下させずに充実していただきたい。
・・・といった内容の質問と回答でした。質問は厳密に言うと4項目を区切っていたわけではなく、一連の発言の中で随時答弁を求める、というかたちでした。これらのやり取りの結果、部局の回答から明らかになったことを集約すると・・・
①障がい児の問題についての対応は子育て支援の立場で議論をすすめること→(障がいの認知が難しい時期の保護者支援のためには「障がい福祉」分野での支援よりも、一般的な育児相談の延長で支援したほうが保護者の心理的な負担を軽くすることが出来るのでは、という考え方に基づいたもの)
②施設の移転にあたっては検討委員会を設置すること→(児福審答申で提案されていたことを再確認) ③子ども発達センターは、「のびゆく 子どもプラン」などで総合的な施策を策定すること→(ピノキオをとりまく問題の解決には施設単独での検討ではなく、障がい福祉施策全体のバランスの中で検討するべき・・・という児福審答申を再確認したもの) という3点が明らかにされたことになる。他にも発達支援センター機能の検討とピノキオ業務とが別の問題だいうことが明確にされたことで「ピノキオ業務の拡充」の検討が「短絡的」に民間委託の検討に結びつくことがなくなる、ということも大きい。
また、市長は「自分も保護者に呼ばれるなどして実情の勉強をしたい」と言ってくれたが、これが1番大きな収穫だったのではないだろうか。こういうことが「議会が行政をチェックする」ということなのだろう。とにかく市議会や市長はピノキオや障がい児のことをもっとよく知って欲しい。そして施策を実行するためにふさわしい予算をつけるべきだと強く思う。 この分野は明らかに他市より劣っている。
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